徒然メモ

日々のぼんやりした考えをそのまま書き綴ります。

「できる」の品詞考察

日常的な表現「できる」を品詞分解しようとしたら混乱しました。結論、カ行上一段活用動詞です。

「できる」の単語分解は次の2通り考えられます。

  • でき/る
  • できる

前者の「る」は古文では助動詞ですが、現代文の「る」は活用されず助動詞ではありません。可能を表す助詞「る」も見つけられませんでした。なので前者ではなさそうです。なお、古文の「る」は現代文では「れる、られる」に置き換わったようです。

後者はカ行上一段活用動詞「で-きる」が相当します。実際、「で-き/ない」のように活用されます。他品詞の「できる」は見つかりませんでした。

前後しますが、前者は可能の助動詞「る」を現代文に仮定しても除外できます。可能の助動詞の前の動詞は現代文でも古文でも未然形です。未然形が「でき」となる動詞はおそらく「できる」しかないので、「でき/る」は「できる-可能」の意味になります。日本語では二重可能は使われない(はずな)ので、可能の助詞「る」の仮定と矛盾します。従って、前者はそれらしくありません。

以上から、「できる」は後者の動詞、活用時の末尾(活用語尾)が「ki」なのでカ行上一段活用動詞です。

蛇足です。普段多用する単語「できる」でも品詞分解や活用が思い付きませんでした。確かに母語話者にとって理論的な文法は難しいです。

以上はほぼ全文が要出典です。